映画「いただきます みそをつくるこどもたち 劇場版」がパワーアップして10/7公開スタート

少し前になりますが、2017年9月28日、「いただきます みそをつくるこどもたち 劇場版」の完成披露試写会に行ってきました。

10月7日から公開されるそうで、公開に先立ち、監督と、映画に出演されている木村泰子先生、大島貴美子先生の鼎談もあり、楽しみにしていました。

試写会の会場は、渋谷・ユーロスペース。渋谷駅には30分前についていたものの迷ってしまい、ホテル街をうろうろ。スマホの地図を見ているのにわからなくなって、開映の時間は迫ってくるし、慣れない渋谷とホテル街がなんとなく居心地悪くて、焦るばかり。結局、交番でユーロスペースの場所を聞きました。交番で道を聞くなんて、何年ぶりでしょうか。着いた時に、ちょうど上映開始となりました。

「いただきます みそをつくるこどもたち」とは

「いただきます みそをつくるこどもたち」は、福岡県福岡市の高取保育園の1年を追ったドキュメンタリー。

1968年に開園した高取保育園では、アレルギーという言葉がなかった時代からアレルギーのこどもを受け入れ、食の実践からその解決を探ってきました。その結論が、玄米ごはんと味噌汁、納豆、旬の野菜を使った、和食の給食。園児たちは、これらをとてもおいしそうに、残さず食べます。

親のインタビュー、先生のインタビューなどを挟みながら、保育園の日常生活が映し出されます。

印象的なのは、食にまつわる数々のシーン。とてもおいしそうな、そして美しい食材やごはん。こどもたちが給食を食べるシーンは、もう微笑ましくて、癒されます。最初の一口目は玄米を100回噛むを子どもたちがやっていたのですが、これはよく噛む生活習慣をつけるのにとてもいいと思います。そして、食べる前にみんなで歌っている曲の歌詞も、とてもいいです。

専門家のコメントが挟まれている

この映画には、専門家の方のコメントが収録されていました。その中で私が印象に残ったのは、発酵学の第一人者である小泉武夫先生のコメント。

世界中の食べもののなかで抗酸化性物質(ガンを防ぐ)の第1位は味噌。2位はテンペ、3位は納豆。

すべて、大豆の発酵食品。日本には、とてもいい食べものがありますね。みそ汁がおいしい季節になってきたので、わが家では毎日登場させたいです。

自主上映版よりもシーンが足されてパワーアップ

自主上映版も鑑賞しましたが、シーンが足されていました。

私が気づいたところでは
・神奈川県 麦っこ畑保育園園長の様子
・「みんなの学校」元大空小学校校長、木村泰子さんのコメント
・簡単なみそ汁の作り方
がありました。

オオタ監督&木村先生&大島園長 鼎談

この試写会では、上映終了後に鼎談がありました。

監督・撮影・編集 VIN OOTA
木村泰子 「みんなの学校」元大空小学校校長
神奈川県 麦っこ畑保育園園長 大島貴美子

のお三方です。

写真左から大島先生、木村先生、監督

鼎談中は撮影OKで、SNS投稿など大歓迎ということで、私も写真を撮りました。

印象に残ったことを箇条書きですがメモします。

・知育、体育、徳育の前に食育がある
・子どもたちの生きる力は強い。大人がいろいろ言うのは、むしろ邪魔。大人は邪魔せず、子どもの力をどう引き出すかだけ
・正しいことなんてない。大人が正しいだろうと思っているだけ
・子どもに学べばいい
・先生ではなく、一人の大人としての姿をみせる、だから先生と肩書き、呼び方をつけなくていい
・食べたものが自分になる

監督の「自分の子どもを育てるように子どもたちに接していましたか?」という問いに、木村先生は次のように答えていました。

「親は自分の子どもを育てられない、そこがスタートライン。自分の子どもを育てたかったら、その周りの子どもを育てれば、確実に自分の子どもが育つ。この子が自分の子どもだったらどうかなと、想像できる一人の大人になる」

この言葉は、本当にそうだなと思います。私がいま産前産後のお母さんと家族をサポートしたいっていうのも、その子どもたちが生き生きと育つようにという思いがあるからです。この言葉は、心にメモしておきます。

感想

自主上映もよかったですが、劇場版もいいです。上映中、泣いている方も、ちらほら。私もこみ上げてくるものがありました。

上映中の様子

日本人のDNAにあった食事、行き着くところは、ごはん(玄米)とみそ汁を中心とした伝統的な和食なんだなと、改めて思いました。

ただ、この食生活をいいよと人に押し付けるのも違うと思います。そして、ここまではできないなと悲観する必要もないと思います。

この映画を見て、自分ができることから始めてみる、例えば、だしをとってみそ汁を作るようにするとか、ごはんをよく噛んで食べるとか、時々いい野菜を買ってみるとか、こどもと一緒に家庭菜園やベランダ菜園を始めてみるとか、そんな一歩を踏み出せればいいのではないかと思います。そして、その一歩を踏み出したくなる映画だと思います。

そして、子どもたちの未来を作っていくのは私たち大人の責任であり、こういった日本の食文化、食養生を伝えていくのもまた、私たち大人の責任であると感じました。

バタバタして自主上映はできませんでしたが、みんなに宣伝して、この映画を応援したいと思います。

和食が好きな方、こどもの食に悩んでいる方、発酵食品が好きな方、マクロビオティックが好きな方、教育関係者にはオススメの映画です。たくさんの人に見て欲しい映画でした。

 

関連サイト
映画『いただきます〜みそをつくる子どもたち』公式サイト

投稿者プロフィール

赤星由美子
赤星由美子
株式会社ソシエタス代表取締役。調理師/食品衛生責任者/出産ドゥーラ・産後ドゥーラ/発酵プロフェッショナル。さまざまな情報を発信していきます。