沼袋駅徒歩11分「カフェ潮の路」ーホームレス経験者が働く、自家焙煎コーヒーとランチのお店

先日、「カフェ 潮の路」に行ってきました。もうすぐオープンして1年になるカフェ潮の路へは、ずっと行ってみたかったのですが、なかなかタイミングが合わせられずにいて、やっと行くことができました。

子どもがちょうど春休みで一緒だったので、なるべく歩かなくていいように、練馬駅からバスに乗りました。京王バス中野駅ゆきに乗って、浄風園前で降ります。

京王バス停留所 浄風園前

バス停のちょっと手前で、青いひさしがぱっと目に入ってきて、お店がすぐわかりました。

カフェ 潮の路とは

カフェ 潮の路は、一般社団法人つくろい東京ファンドが運営するカフェです。

つくろい東京ファンドは、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授の稲葉剛先生が代表理事をされています。稲葉先生は、20年間、東京・新宿を中心に路上生活者や幅広い生活困窮者の相談・支援をおこなってきた方です。

私も大学院1年生の時に、稲葉先生の「貧困と社会的排除」の授業を1年間とりました。

・ホームレスという人がいるのではなく、ホームレスという状態の人がいるだけである。
・みんな好きでホームレスをしていると思っていたけど違った
・怠け者だと思っていたけれど、私の何倍も働き者だった
・絶対的貧困と相対的貧困の違い

などなど、ここでは書ききれないくらい稲葉先生から学びました。

ちょっと話がそれたので、元に戻します。

つくろい東京ファンドは「ハウジングファースト」に基づく支援を行っています。

「ハウジングファースト」とは、住居を喪失した生活困窮者の支援において、「まずは安定した住まいを提供することを最優先におこなうべき」という考え方です。それは、「生活の拠点である住まいを確保することはすべての人に保障されるべき人権である」という理念に基づいています。
*つくろい東京ファンドの公式サイトより引用

もっと詳しく知りたい方は、つくろい東京ファンドのサイトをご覧ください。

「住まいの次は、仕事を」と、カフェ潮の路がオープンしました。ホームレス経験者の仕事づくりの一環として、フェアトレードの自家焙煎コーヒー「潮の路珈琲」の製造・販売を行なっています。また、ホームレス経験者の交流の場でもあります。

2階 ランチメニュー

お店右手にある階段を上ると、2階がカフェ。ナチュラルな雰囲気で、窓が大きくとられているからか、明るい店内です。

メニュー
日替わりランチ 500円
チーズトースト+ゆで卵 200円
特性チキンカレー(サラダ付き) 700円
パスタアラビアータ(サラダ付き) 700円
自家焙煎コーヒー(アイス・ホット) 200円
ハービティー 200円
ウバ紅茶 200円

私は、日替わりランチ500円を注文しました。

ランチがきました。

日替わりランチは、たけのこご飯、クレソンの味噌汁、鰯の梅煮、ひたし豆、卵焼き。お店の方によると、今日は珍しくお魚の日だったそうです。

ランチ

たけのこご飯は味がきちんとついています。鰯が少し薄味になっているので、バランスがちょうどいいです。

手作りの、家庭の味で、自宅で食べているようで、気持ちがほっこりしてくるのがわかります。これで500円は、お得感がありますね。

子どもはチーズトーストを注文。パンは厚みがあって、チーズもたっぷり。

チーズトースト

ゆで卵がついていたのですが子どもの大好物で、写真を撮ろうと思った時には、もう食べ終わっていました。

お福わけ券

このお店の取り組みの一つに、「お福わけ券」があります。お福わけ券を誰かが購入すると、「次に来る誰か」が、この券をつかって無料で食事ができる仕組みです。

お福分け券

券の裏は、おくる人、もらう人がひとこと書くようになっていて、交流ができるようになっています。

お福分け券裏

私も1枚700円を購入しようと思って、お店の方に「お福わけ券1枚お願いします」と言ったら、「使いますか?購入しますか?」と聞かれました。びっくりする気持ちと、「そっか、私でもお財布が寂しかったら、お金に困っていたら、使っていいんだ」と、新鮮な驚きが!

使いたい場合に誰であろうと、理由など聞かれず、さらっと使うことができるようになっているんだなあと、ちょっと感動しました。

1枚購入して、子どもと何を書こうか話していたら、子どもが「私が書く!」と主張。たどたどしい子どもの字で、ひとことを書きました。これを見た方が、少しでも和やかな気持ちになってくれるといいなぁ。

1階 コーヒースタンド

1階のコーヒースタンドでは、コーヒーをテイクアウトしている方とすれ違いました。ご近所の方の様子です。テイクアウトできるのは嬉しいですね!

潮の路珈琲は、すべてフェアトレードのコーヒー豆を使用していて、 東ティモールの無農薬のコーヒー豆がベースになっています。

潮の路のコーヒー

コーヒー好きの夫へのお土産に、コーヒー豆を買って帰りました。200g900円でした。コーヒーの値段というか相場は、普段コーヒーを飲まないし買わないのでよくわからないのですが、フェアトレードで有機コーヒー豆がベースにしては安いと思うのですが、どうなのでしょうか。

夫に潮の路珈琲を入れた時、少し多めに作って飲んでみました。雑味が少なく、すっきりとした後味。酸味や苦みなど味のバランスがとてもいい。このコーヒーなら私でも飲めます!

おわりに

カフェ潮の路は、2階のカフェの方も、1階のコーヒースタンドの方も、みなさんが私にも子どもにも、そして他の方にも、あたたかく接してくださっていたのが印象的でした。

カフェ潮の路

カフェ潮の路店頭で撮影。写真右がカフェ最高齢の方、中央が稲葉剛先生、左が赤星。

私には、将来、リアルなドゥーラカフェをオープンしたいという夢があります。

私の母が生前、飲食店を30年以上やっていて、その影響か、兄もお店をやっています。それを見て育った私は、とても大変そうだなと、意識的にその道を避けてきました。でも結局、お店をやりたいと思っています。人生って、おもしろいですね。

カフェ潮の路にお邪魔して、そのヒントが得られました。お福分け券の仕組みも真似したい。どんな人でもあたたかく迎え入れることができるカフェ。オープンできるのは何年後でしょうか。

コーヒー豆がなくなった頃に、またお邪魔したいと思っています。稲葉先生、そしてみなさま、ありがとうございました。

カフェ 潮の路
【住所】東京都練馬区豊玉南1-4-2
【営業日】
1階コーヒースタンド:火・水・木・金 12:00-15:00
2階カフェ:火・木 12:00-17:00
【公式サイト】カフェ潮の路(一般社団法人つくろい東京ファンド)

 

 

投稿者プロフィール

赤星由美子
赤星由美子
株式会社ソシエタス代表取締役。調理師/食品衛生責任者/出産ドゥーラ・産後ドゥーラ/発酵プロフェッショナル。さまざまな情報を発信していきます。